✓ 理学療法士の給料は本当に安いのか知りたい
✓ この先いくらまで上がるのか不安
✓ 給料を上げる方法を知りたい
「理学療法士って給料安いよね」「昇給もほとんどないし、退職金も期待できない」——現場でこんな話を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
残念ながら、これらは事実です。ただ、事実を正しく理解した上で対策を取れば、PTとして働きながらでも着実に資産を増やすことは十分に可能です。
この記事では、理学療法士歴14年・転職と副業どちらも経験した私が、PTの給料事情をデータで解説するとともに、今すぐできる具体的な対策をお伝えします。
新卒の頃、先輩から「療法士って退職金がないから若いうちから貯めとかないとヤバいよ」と言われたのが投資を始めるきっかけでした。あの言葉がなければ、今の資産状況はまったく違ったと思います。
この記事でわかること
- 理学療法士の初任給・昇給・退職金の実態(最新データ)
- 給料が上がりにくい構造的な理由
- 今すぐできる3つの対策
✓ 初任給は大卒平均と並ぶ水準
✓ 昇給は平均並み。45歳以降はほぼ頭打ち
✓ 退職金は制度がない職場もある
理学療法士の給料の実態【最新データで解説】
① 初任給は他業種よりやや高い
まず初任給です。
もっとも近い数字が、20〜24歳の給与額です。
※理学療法士に限った初任給の公的統計はないため、20〜24歳の数字を目安としています。
同じ調査の学歴別の初任給は、大学卒が24万8,300円、専門学校卒が22万2,800円です。
勤続1.4年の平均値なので純粋な初任給より少し高く出ますが、大卒平均と並ぶ水準からスタートできるとは言えます。
私の初任給は手取りで約23万円でした。同世代の一般企業の友人より少し多かった記憶があります。
理学療法士は専門学校(3年制)でも資格を取れるので、大卒より1年早く働き始められる点でも有利です。
ただしその優位が続くのは最初の数年だけです。手取りの内訳や2年目以降の変化は、こちらで詳しく書いています▼
② 昇給は平均並み・30代以降は伸び悩む
次に、年代ごとの推移です。
| 年齢 | 月給(きまって支給する現金給与額) | 年間賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 26.1万円 | 32.1万円 | 約345万円 |
| 25〜29歳 | 27.8万円 | 64.0万円 | 約398万円 |
| 30〜34歳 | 30.8万円 | 74.5万円 | 約444万円 |
| 35〜39歳 | 32.1万円 | 75.4万円 | 約461万円 |
| 40〜44歳 | 33.8万円 | 85.5万円 | 約491万円 |
| 45〜49歳 | 36.4万円 | 93.4万円 | 約530万円 |
| 50〜54歳 | 36.4万円 | 99.8万円 | 約536万円 |
20代のうちは悪くありません。ただ45歳を過ぎると、上がり方がほとんど止まります。50〜54歳の月給は、45〜49歳と同じ水準です。
最初の職場では、昇給は年2,000円ほどでした。7年勤めて、合計14,000円です。
昇給が伸び悩む理由は、主に次の2つです。
- 診療報酬・介護報酬の制約:リハビリの収益は国が定めた報酬が上限。施設が独自に給料を上げる原資が少ない
- 供給過多の構造:毎年1万1,000人以上が国家試験に合格し続けている
昇給しない構造は、こちらで詳しく解説しています▼
③ 退職金は「あるかどうか」から確認する
3つ目が退職金です。
よく「リハ職の退職金は少ない」と言われますが、理学療法士に限った退職金の公的な統計はありません。
東京都が中小企業を対象に行った調査にも医療・福祉の集計はありますが、回答した企業が数社しかなく、勤続30年の金額は非公表(データなし)でした。金額を断定できる材料がないということです。
分かっているのは、金額より前の段階です。
東京都の中小企業/退職金制度の有無
- 調査産業計:制度あり64.2%/制度なし34.4%
- 医療,福祉:制度あり42.9%/制度なし57.1%
出典:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」第7表①
※医療,福祉は42社の集計。数が少ない点に注意
つまり「いくらもらえるか」の前に、そもそも制度があるかどうかを確認する必要があります。
私の今の事業所には、退職金制度がありません。前の職場では出ました。職場によって本当に違います。
勤務先ごとの制度の違いと、自分の退職金の確認方法はこちらにまとめました▼
理学療法士の給料が安い問題への3つの対策
ここまで厳しい数字を並べてきましたが、対策を知っていれば十分に備えられます。私が実際に実践してきた3つの対策をお伝えします。
対策① 初任給が高い若いうちから、計画的に貯金する
20代のうちは、他の職種と比べても給料は悪くありません。この時期に「初任給が高い=使えるお金が多い」と勘違いして使い切ってしまうのが最大の失敗パターンです。
人生における大きな支出を事前に把握して、逆算して貯めておくことが重要です。
・マイホーム資金:頭金として500〜1,000万円を目標に積み立てておくと選択肢が広がる
・教育資金:子ども1人あたり約1,000万円(公立〜私立で変動)が目安。早めに準備を始めるほど負担が減る
・老後資金:退職金が少ない分、自分で準備する必要がある。月2〜3万円の積み立てから始めるだけでも将来は大きく変わる
「漠然と貯金しよう」では続きません。目的別に金額と期限を決めて積み立てる「目標貯金」が最も続きやすい方法です。
対策② 転職・副業で、自分から収入を上げにいく
昇給が見込めないなら、自分で収入を上げる行動が必要です。PTが収入を増やす方法は大きく「転職」と「副業」の2つです。
・同じPTとして条件の良い病院・施設に移る(給与交渉がしやすいタイミング)
・領域を変える(病院→訪問看護ステーションなど、給与水準が高い領域へ)
・医療・福祉以外の業種に転身する(医療機器メーカー・健康経営コンサルなど)
・非常勤として掛け持ち勤務(時給2,000〜3,500円が相場。月+5〜10万円も可能)
・医療・健康系Webライター(PT資格があれば文字単価5〜15円も狙える)
・ブログ・アフィリエイト(記事が資産として積み上がる)
・パーソナルトレーナー(解剖学・運動学の知識がそのまま活きる)
私自身、転職を1回経験してから副業(Webライター・ブログ)を始めました。転職で自由時間が増えたことが副業を始めるきっかけになり、収入の柱が複数できてから将来への不安が大きく減りました。「給料が安い」という悩みは、行動で変えられます。
→ 【関連記事】理学療法士が稼ぐには?現役14年目PTが教える年収アップの方法と現実的な評価
→ 【関連記事】理学療法士のセカンドキャリアとは?14年目PTが実践中の方法と周囲のリアル事例を紹介!
対策③ NISA・iDeCoで、自分の退職金を自分で作る
退職金の制度がない職場もあるなら、その分は自分で用意しておく必要があります。そのために国が用意している制度が「NISA」と「iDeCo」です。
通常、株式や投資信託の利益には約20%の税金がかかります。NISAは「NISA口座(非課税口座)」内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。2024年からは新NISAとして制度が大幅に拡充され、年間360万円・生涯1,800万円まで非課税で投資できるようになりました(金融庁「NISA特設ウェブサイト」)。
iDeCoは公的年金に上乗せする私的年金制度です。自分で掛け金を拠出・運用し、60歳以降に受け取ることができます。掛け金が全額所得控除になるため、毎年の税金を抑えながら老後資金を積み立てられるのが最大のメリットです(厚生労働省「iDeCoの概要」)。
PTは初任給が他業種より高い時期があることから、早くから積み立てを始めることで複利の効果を最大化できます。たとえば25歳から月3万円を年利5%で35年間積み立てた場合、60歳時点の元利合計は約3,400万円になる計算です(運用の成果を保証するものではありません)。
・まずNISAから始める:いつでも引き出せる柔軟性があり、初心者でも始めやすい
・余裕ができたらiDeCoを追加:節税効果が高く、老後資金として確実に積み立てられる
・インデックス投資(S&P500・全世界株式)から始める:個別株より分散が効き、長期投資に適している
収入を増やす第一歩は転職(完全無料で相談)
PT専門エージェントに相談すれば、今より給与条件の良い求人を無料で探してもらえます。まずは情報収集だけでもOKです。
よくある質問
即効性があるのは転職です。1回の転職で年収30〜100万円アップも珍しくありません。副業は軌道に乗るまで時間がかかりますが、収入の柱が増えるため長期的に安定します。理想は転職で収入の土台を上げつつ、副業で上乗せしていく形です。
可能です。令和6年のデータでは、男性の50〜54歳で年収の目安が約546万円となっています。ただしこれは平均値であり、訪問系・管理職・大規模病院では40代で600万円超えのケースもあります。また転職+副業を組み合わせれば、40代で年収800万円以上を実現しているPTも実際に存在します。
本当です。訪問リハビリは1件あたりの報酬単価が高く、インセンティブ制度がある事業所では件数に応じて給料が上がる仕組みもあります。ただし移動時間・体力面・一人職場の孤独感など独自のしんどさもあるため、給料だけで選ぶのは要注意です。 → 【関連記事】訪問リハビリの給料が高い理由を徹底解説!事業所選びのポイントも紹介!
給料アップを目的とした転職は、3〜5年目が狙い目です。即戦力として評価されながら、まだ柔軟にキャリアを変えられる時期です。10年以上たってからでも遅くはありませんが、早いほど生涯年収への影響が大きくなります。 → 【関連記事】理学療法士が転職するベストなタイミングは?失敗しない時期と判断基準を徹底解説
まとめ
この記事では、理学療法士の給料事情と対策を解説しました。
✓ 初任給は大卒平均と並ぶ水準。ただし45歳以降はほぼ頭打ち
✓ 退職金は制度がない職場もある(医療・福祉の中小企業で制度ありは42.9%)
✓ 対策①:若いうちから計画的に貯金する
✓ 対策②:転職・副業で自分から収入を上げにいく
✓ 対策③:NISA・iDeCoで自分の退職金を自分で作る
「給料が安い」という事実は変えられませんが、それに対する行動は自分で選べます。今の日本では終身雇用の崩壊・退職金の減額はどの業種でも起きている問題ですが、PTは昇給も退職金も期待しにくい分、早めに動いた人ほど有利になります。
まず情報収集から始めてみてください。それが最初の一歩です。
まずは転職で市場価値を確認する(完全無料)
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【データ出典】
・初任給・年代別平均年収:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
・退職金制度の有無:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」
・NISA制度:金融庁「NISA特設ウェブサイト」
・iDeCo制度:厚生労働省「iDeCoの概要」



