✓ 訪問リハビリってきつい?
✓ 訪問リハビリへの異動が決まったけど不安
✓ 訪問リハビリのメリットは?
訪問リハビリはきついとか、若い療法士には向いていないとか、ネガティブな噂ばかり聞きますよね。
確かに、訪問リハビリにはきつい部分があります。
でも何がきついのかを先に知っておけば、対策できることばかりです。
そして楽しい部分や良いところも、きちんとあります。
結論から言うと、私は訪問リハビリに移ってよかったと思っています。
理学療法士14年目、訪問は8年目です。今も現場にいるので実体験で書きますね。
この記事で解説するのは、次の3つです。
訪問リハビリへの不安を解消したい方は、最後まで読んでみてください。
訪問リハビリがきついと言われるデメリット5選

訪問リハビリはきつい、とよく言われます。
理由は病院や施設の勤務にはないタイプの大変さがあるからです。
- 体力面がきつい
- 衛生面がきつい
- 1人対応がきつい
- 礼儀作法がきつい
- 時間管理がきつい
ただ、あらかじめ知っておけば対策も勉強方法もあります。1つずつ見ていきます。
①体力面がきつい
訪問リハビリがきついと言われる最大の理由は移動です。
日中ずっとせわしなく動き回るので、体力に自信のない方はきついと感じると思います。
対策ですが、こればかりは【慣れ】の部分が大きいです。
私は車移動で、運転が苦にならないタイプなので助かりました。自転車だったらきつかったと思います。
訪問への異動や転職を検討しているなら、車なのか自転車なのか、移動方法は必ず確認してください。ここで働きやすさがかなり変わります。
そしてもう1つ、正直に書いておきたいことがあります。
訪問リハビリの体力面は、若いうちは「慣れ」で解決しますが、年齢を重ねたときの逃げ道が少ない働き方です。
病院や施設なら、年齢とともに管理職や後進の指導へ役割を移していけます。訪問は基本的にベテランでも新人でも、同じ件数を回って同じだけ移動します。
私が今いちばん考えているのは、50代・60代でこの移動量をこなせるのかという点です。
今きついかどうかより、10年後・20年後にどう働くかを考えておくほうが大事だと思っています。
長く働き続ける道筋についてはこちらにまとめました▼
②衛生面がきつい
病院や施設のように環境が整えられている場所とは違い、訪問先には生活環境が厳しいお宅もあります。
対策として手袋やスリッパを持参しますが、それでも潔癖なタイプの方にはつらいかもしれません。
ただ、頻度としてはそこまで多くありません。
私は週30件ほど回っていますが、スリッパを持参するのは2件くらいです。
つまりきれいなお宅の方が圧倒的に多いということです。噂で聞くほど身構えなくて大丈夫だと思います。
また、あまりに環境が厳しい状態は生活自体が続かないので、ケアマネジャーに相談してヘルパーを入れてもらうこともできます。一人で抱え込まなくて大丈夫です。
③1人対応がきつい
リハビリは基本マンツーマンですが、病院や施設なら介助を手伝ってもらったり、先輩に見てもらったりできます。完全に1人ではありません。
訪問は完全に一人対応です。特に若手だと不安を感じると思います。
- 介助方法が不安
- 急変時の対応
- 異性の患者様と2人きり
不安な部分があれば、できないことは「できない」とはっきり伝えて、必ず上司や先輩に相談してください。
一人で判断しようとするのが一番危険です。
この「1人が不安か、気楽か」は人によって真逆に分かれます。自分がどちらのタイプか確かめたい方はこちら▼
④礼儀作法がきつい
訪問リハビリでは患者様のパーソナルスペースに入っていくので、礼儀作法は病院よりも慎重さが求められます。
細かい作法の積み重ねが、しんどいと感じる人もいるはずです。
同じ話し方なのに、場所が変わると評価が真逆になりました。
私が実際に指摘されたのは若者言葉でした。それまで問題にならなかった話し方が、お宅では引っかかることがあります。
ちなみに移る前、「若い男性は訪問で好かれない」と言われていました。
結論から言うと、大半は杞憂です。ただしゼロではありません。男性を避けたい患者様は一定数いますし、その場合は担当を替えれば済む話です。
また、各家庭には独自のルールがあります。
お茶の飲み方、家の入り方。家族全員への挨拶を求められるお宅もあれば、逆に家族に話しかけないでほしいというお宅もあります。
郷に入っては郷に従えの精神で、柔軟に対応しましょう。
⑤時間管理がきつい
訪問リハビリはせわしなく移動するので、時間管理がきついと感じます。
朝から夕方までスケジュールがびっしり詰まっていて、移動にも時間がかかる。業務と移動を繰り返すうちに疲弊してしまうこともあります。
待たされるのを嫌う患者様から、クレームを受けてしまうこともあります。
- 事業所に余裕のあるスケジュールを提案
- より効率のいいルートの検討
- 遅れそうなときは先に電話
病院や施設は「待たされるもの」という前提がありますが、訪問は時間ぴったりに来るものと考える患者様も少なくありません。ここの感覚差が、クレームの原因になります。
そしてここが、訪問で本当にきついところです。
私が8年で一番しんどかったのは、体力でも衛生面でもなくクレームが続いた時期でした。しかもルート編成の都合で、すぐには担当を替えられませんでした。
合わない相手のところへ、毎週決まった時間に行き続ける。これが一番こたえました。
だからこそ、面接や見学のときに「担当変更はどれくらい柔軟にできますか」と聞いておいてください。ここが融通の利く事業所かどうかで、しんどさがまるで変わります。
どれだけ最善を尽くしても遅れることはあります。それでもクレームになってしまったときは、「この患者様は訪問という形が合わないんだな」と切り替えましょう。
急いで事故を起こしては本末転倒です。あせらず安全運転を心がけてください。
それでも気持ちが限界に近いなら、我慢し続ける必要はありません。辞めたくなる前に読んでおいてほしい記事です▼
訪問リハビリで良かったメリット5選

ここまでデメリットを並べてきましたが、正直に言うとどれも慣れてしまえば大きな問題ではありません。
それ以上に、訪問リハビリをやってよかったと思えるメリットがあります。
- 病院や施設と比較すると給料が高い
- 患者様の生活にコミットできる
- 1人なので気が楽
- 自分の時間が取りやすい
- いろいろなお宅を訪ねて知見が増える
この項目にメリットを感じるなら、あなたは訪問リハビリに向いています。
①病院や施設と比較すると給料が高い
訪問リハビリは、理学療法士の働き方の中でも比較的給料が高い部類に入ります。
- リハビリ1件あたりの単価が高いから
- 報酬にインセンティブ制度があるから
- 大きな施設を維持する必要がないから
私は老健から訪問に移って、年収が450万円から500万円になりました。
ちなみに理学療法士の平均年収は444万円(厚生労働省 令和6年 賃金構造基本統計調査)です。
ただし、ここは1つだけ注意点があります。
インセンティブは「件数が埋まっていれば」の話です。
事業所によっては、新規の依頼を取ってくる営業も療法士が自分でやるところがあります。その場合、件数が埋まらない時期はインセンティブが伸びません。
求人票の月給だけで判断せず、「基本給とインセンティブの内訳」「新規依頼はどこから来るのか」まで確認してください。ここを聞かずに入ると、思っていた年収と差が出ます。
給料の仕組みを詳しく知りたい方はこちら▼
そもそも今の職場で昇給が見込めるのか、から考えたい方はこちら▼
②患者様の生活にコミットできる
訪問リハビリは、リハビリ職の中でも患者様の生活に最も深く関われる働き方だと思っています。
実際に生活している場面でのリハビリだからです。
自身の運動指導や環境設定によって、患者様の生活ががらりと変わることがあります。療法士としてこれ以上ない手応えを感じられる瞬間です。
訪問リハビリの最大のメリットだと言えます。
③1人なので気が楽
デメリットと表裏一体ですが、1人で動くほうが楽だと感じる人もいます。
- 他の療法士と比較されない
- 常に見られている感覚がない
- 昼休みを1人で過ごせる
ここは完全に好みが分かれるところです。「気が楽」と感じるなら、訪問はかなり向いています。
④自分の時間が取りやすい
「移動でせわしないのに、時間が取りやすいの?」と思われるかもしれません。
訪問リハビリでは、急なキャンセルが出ることがしばしばあります。その隙間時間が、まるごと空くのです。
- 昼食ついでに日用品の買い物
- 隙間時間に銀行で振り込み
- 空き時間に散髪
※職場によってルールが違うので、就業規則は必ず守ってください。
私の事業所は個人経営なので、空き時間は好きに使っていいと言われていました。
ただし裏を返せば、キャンセルが多い月はインセンティブも減るということです。時間の自由と収入は、ある程度トレードオフになります。
⑤いろいろなお宅を訪ねて知見が増える
患者様の若い頃の話を聞けるのは、リハビリの会話の醍醐味のひとつです。お宅に伺うと、その話がぐっと具体的になります。
- 若い頃に受けた勲章を見せていただける
- 数百万円の美術品を見せていただける
病院や施設では絶対にできない体験です。その人の人生そのものが見えるのが、訪問の面白さだと思います。
訪問リハビリで勉強しておいた方が良いこと

訪問リハビリは、病院のリハビリとは求められるものが少し違います。
- 急変時の対応
- 礼儀作法・マナー・言葉遣い
- 道路交通法
先に挙げた「きついデメリット」を乗り越えるために、この3つは学んでおくと安心です。
一般社団法人 日本訪問リハビリテーション協会では研修も開催されています。
①急変時の対応
訪問リハビリでは、急変時の対応も理学療法士が行わなければなりません。
病院なら看護師を呼べますが、訪問中は1人です。主治医に連絡するか、救急車を呼ぶかを自分で判断することになります。
私も実際に、介入中に脳梗塞を起こされて救急対応をしたことがあります。
正直、めちゃくちゃテンパりました。
患者様の既往歴をしっかり把握して、何かあったときの対処法を事前に看護師へ確認しておくことをおすすめします。備えているかどうかで、その場の動きがまったく変わります。
②礼儀作法・マナー・言葉遣い
デメリットでも触れましたが、患者様のお宅にお邪魔するので礼儀作法にはより一層気を配る必要があります。
言葉遣い、靴の並べ方、お茶の出され方への対応。
かしこまりすぎても親しみがなくなるので、そこは患者様のキャラクターによります。ただ最低限のマナーは一度おさらいしておきましょう。
③道路交通法
訪問リハビリで意外と多いのが交通違反です。
自動車や原付での訪問では、違反をすれば当然減点されますし、最悪の場合は免許取り消しになる可能性もあります。
事業所によっては違反金が自己負担になることもあるので、そこは必ず確認しておきましょう。
転回禁止、一時停止、速度標識。基本的な道路交通法は、勤務前にもう一度確認しておいてください。
免許は仕事道具です。失うと働けなくなります。
ちなみに車の維持費が気になる方へ。私は中古の軽自動車を5年乗って、じゅうぶん元が取れました。新車である必要はまったくありません。
まとめ
この記事では、訪問リハビリのきついと言われるデメリット、良かったメリット、学んでおいた方が良いことを解説しました。
訪問に移って、年収は上がって自分の時間も増えました。移ってよかったです。
確かにきついと言われるデメリットはあります。でもそれを上回るメリットも十分にあります。
そしてきつさの中身は、事業所選びでかなり変わります。移動手段、担当変更の柔軟さ、インセンティブの内訳。この3つを確認するだけで、入ってからの後悔はぐっと減ります。
自分に合っているかどうかを見極めながら、転職を検討してみてください。
実際に訪問へ移った人が後悔したかどうか、体験談はこちら▼
年収面から他の働き方と比較したい方はこちら▼
他の療法士の声も参考にしてみてください
PT・OT・ST.NETには体験談の掲示板があります。いろいろな方の意見を読めるのでおすすめです。
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