✓ 訪問リハビリを辞めたいと思っている
✓ 自分が訪問に向いていないのか判断したい
✓ 辞める前にできることがあるなら知りたい
「訪問リハビリ、もう辞めたいな」
移動に追われて、クレームに気を張って、一人で判断して。そう感じる日があっても不思議ではありません。
ただ、辞める前に一度だけ考えてほしいことがあります。
しんどいのは「訪問リハビリ」だからでしょうか。それとも「今の事業所」だからでしょうか。
私は訪問8年目ですが、辞めたいと思ったことが一度もありません。そして今いる事業所は、退職者がほとんど出ません。
私が特別タフなわけではありません。単純に、辞める理由がない職場なんです。
同じ「訪問リハビリ」でも、事業所によって働き方はまったく違います。この記事では、辞めたくなる原因がどこにあるのかを切り分けます。
そのうえで、本当に合わないなら辞めるべきだとも書きます。無理に続けさせるつもりはありません。
結論:辞めたくなる原因は、事業所側にあることが多い
① 訪問リハビリを辞めたくなる原因の多くは、事業所の運営に起因する
② 事業所を変えるだけで解決するケースがかなりある
③ ただし「移動が苦痛」「一人が無理」なら、訪問自体が合っていない
訪問リハビリという働き方そのものが原因なら、事業所を変えても同じことが起きます。
でも原因が事業所の作りにあるなら、職場を変えるだけで解決します。
ここを切り分けないまま「訪問は自分に向いていなかった」と結論を出すと、本来続けられたはずのキャリアを手放すことになります。
※登録は無料です。今の職場と比べるだけでも判断材料になります。
訪問リハビリを辞めたくなる5つの理由
「きつい」と「辞めたい」は違います。
きついだけなら人は辞めません。辞めたくなるのは、きつさに出口が見えなくなったときです。
訪問で「もう限界かも」と感じる瞬間を5つに整理しました。先に結論を出しておきます。
| 辞めたくなる理由 | 原因はどこか |
|---|---|
| ①移動と件数に追われる | 事業所(ルート編成) |
| ②一人で判断するプレッシャー | 訪問そのもの |
| ③苦手な人から逃げられない | 事業所(担当変更) |
| ④頑張っても給料が増えない | 事業所(営業の担当) |
| ⑤先が見えない | 訪問そのもの |
純粋に「訪問だから」と言えるのは②と⑤の2つだけです。残り3つは、事業所を変えれば改善する可能性があります。
自分がどれに当てはまるか、確認しながら読んでみてください。
なお、体力面・衛生面・礼儀作法といった「訪問のきつさそのもの」は別記事にまとめています。
【訪問リハビリはきつい⁉】メリット・デメリットを解説
①移動と件数に追われて、リハビリに集中できない
朝から夕方まで予定が詰まっていて、1件終わればすぐ次へ。渋滞、駐車場所、天候。すべてが読めないなかで、「間に合うか」という緊張が一日中続きます。
気がつくと、目の前の利用者様ではなく時計を見ている。
リハビリの質が落ちている自覚があるのに、どうにもできない。この状態が続くと、仕事そのものが嫌になっていきます。
→ 主な原因:ルート編成(事業所側)
②一人で判断し続けるプレッシャー
訪問中は完全に一人です。判断も対応も、全部自分で決めなければなりません。
施設や病棟なら「これ、どう思います?」と聞ける相手がすぐ隣にいました。訪問にはいません。
合っているか確認できないまま、毎日決断し続ける。この負荷は経験年数に関係なく、じわじわ効いてきます。
→ 主な原因:訪問という働き方そのもの(ただし相談体制があれば軽くなる)
③苦手な利用者様から逃げられない
どうしても合わない方はいます。それ自体は仕方のないことです。
問題は、毎週決まった曜日に、必ずそこへ行かなければならないことです。
病棟なら翌日は別のスタッフが入れます。訪問は担当がほぼ固定です。逃げ場がないという感覚が、「辞めたい」に直結します。
→ 主な原因:担当変更の運用(事業所側)
④頑張っても給料が増えない
「訪問は稼げる」と聞いて移ったのに、思ったほど増えない。
インセンティブ制度はある。でも件数が伸びない。伸ばそうとすると営業に走り回ることになる。
リハビリ以外の労力で消耗して、それでも数字に届かない。これは効きます。
→ 主な原因:営業を誰が担うか(事業所側)
⑤このまま続けた先が見えない
訪問を10年、20年と続けた自分が、うまく想像できない。
役職のポストが少なく、キャリアの型も限られています。ただ、私が一番引っかかっているのはそこではありません。
体力です。50代、60代になってもこの移動量をこなせるのかなと。
訪問は移動が仕事の大半を占めます。階段の上り下り、介助、真夏の車の乗り降り。すべて体を使います。
施設や病院なら、年齢に応じて役割を変えていけます。管理業務に回る、後進の指導に軸を移す、といった道があります。
訪問には、その逃げ道がほとんどありません。件数を回れなくなった瞬間、収入も働き方も同時に崩れます。
「今はできている。でも10年後は?」
この不安は、日々の疲れよりも深いところに効いてきます。私自身、答えは出ていません。
→ 主な原因:訪問という働き方そのもの
事業所が原因の3つ|正体と確認方法
①③④の3つは、「訪問リハビリだから起きること」ではありません。その事業所の作り方が原因です。
そして厄介なことに、この3つはどれも求人票に載りません。入ってみるまで分からない。だから同じ失敗を繰り返す人が出ます。
ひとつずつ、正体と確認方法を書いていきます。
「頑張っても給料が増えない」の正体|営業まで自分でやらされる
訪問リハビリは給料が高いと言われます。実際、私の年収も450万円から500万円になりました。うち約3割がインセンティブです。
ところが、インセンティブ制度があるのに稼げないという事業所が存在します。
理由はこれです。
営業(新規利用者の獲得)まで、療法士が自分でやらなければならない
訪問の件数は、勝手には増えません。ケアマネージャーに顔を出し、関係を作り、依頼をもらってはじめて増えます。
その営業を事業所がやるのか、療法士本人がやるのかで、状況がまったく変わります。
| 事業所が営業する | 療法士が営業する | |
|---|---|---|
| 件数 | 安定して回ってくる | 自分の営業力次第 |
| インセンティブ | リハビリに集中すれば伸びる | 営業しないと伸びない |
| 実質的な労働 | 訪問+書類 | 訪問+書類+営業 |
営業まで背負わされると、インセンティブは名ばかりになります。ここは本当に事業所差が大きいです。
求人票には「インセンティブ制度あり」としか書かれません。その件数をどうやって確保するのかは、どこにも書いていないのです。
「頑張れば稼げる」と言われて入ったのに、実際は営業に走り回って疲れるだけ。これが「思ったより稼げない」の正体です。
面接で必ず聞いてください
「新規のご依頼は、事業所として営業されていますか。それとも療法士が個別に開拓する形ですか」
インセンティブの仕組み自体は、こちらで詳しく解説しています。
訪問リハビリの給料が高い理由
「苦手な人から逃げられない」の正体|担当を替えられない構造
8年やってきて、唯一しんどかった時期があります。
厳しいクレームが続いたときです。
ただ、本当にきつかったのはクレームそのものではありませんでした。
ルート編成の都合で、担当を替えられなかったこと
訪問は移動時間で組まれています。あるお宅を別の担当に回すと、そのエリア全体のルートが崩れます。結果、「替わりたくても替われない」状態になります。
逃げ場がないんです。毎週決まった曜日に、必ずそこへ行かなければならない。
病棟なら、次の日はほかのスタッフが対応することもできます。訪問は担当がほぼ固定です。
これは訪問の構造上の弱点であると同時に、事業所の運営次第で軽くもなる問題です。
担当変更に強い事業所の特徴
- エリア担当制が固定されすぎていない
- 複数名で同じエリアを回せる人員がいる
- 管理者が「替わりたい」を言える空気を作っている
- クレーム時に一人で抱えさせず、管理者が同行・対応する
人員に余裕がない小規模事業所ほど、ここが硬直しやすくなります。
面接で必ず聞いてください
「利用者様との相性が合わない場合、担当変更はどのように対応されていますか」
この質問への答え方で、事業所が療法士を守る気があるかどうかが分かります。「基本的には替えられません」と即答されたら要注意です。
「移動と件数に追われる」の正体|ルートの組み方が9割
移動そのものは訪問の宿命です。ただ、追われ方の度合いは事業所によって全然違います。
| きつい事業所 | 働きやすい事業所 |
|---|---|
| 移動時間を10分で計算している | 渋滞込みで余裕を持たせている |
| エリアがばらけている | エリアがまとまっている |
| 昼休憩が移動時間に消える | 休憩枠が確保されている |
| 件数を優先して詰め込む | 1日の上限件数が決まっている |
同じ「1日6件」でも、エリアがまとまっているかどうかで疲労はまったく違います。
私も最初の半年は移動のせわしなさが一番きつかったです。ただこれは慣れました。慣れても解消しないなら、それはルート編成の問題です。
面接で必ず聞いてください
「1日の訪問件数の上限と、移動時間はどれくらいで組まれていますか」
この3つは、どれも求人票には載っていません。自分で聞くか、間に入る人に確認してもらうしかありません。
エージェントを使えば、この手の内部事情を事前に確認してもらえます。どのサービスを使うかは、こちらで比較しています。
理学療法士におすすめの転職サイト・エージェント比較ランキング【2026年版】
それでも辞めた方がいい人
ここまで「事業所が原因」という話をしてきましたが、訪問そのものが合わない人もいます。無理に続ける必要はありません。
訪問自体が合っていない可能性が高いサイン
- 運転そのものが苦痛で、慣れる気配がない
- 一人で判断する状況が、1年経っても不安なまま
- 他人の家に上がること自体にストレスを感じる
- チームで働きたい気持ちが強い
この4つは事業所を変えても解決しません。訪問という働き方の根っこにある要素だからです。
合わないものを根性で続けても、良いリハビリはできません。それは利用者様のためにもなりません。
その場合は、回復期・急性期・施設・クリニックなど、別の領域に戻る判断も正しいです。
自分が訪問に向いているかどうかは、こちらでも整理しています。
訪問リハビリに向いている人の特徴
辞めるか、事業所を変えるか|判断チャート
自分がどちらなのか、この順番で確認してください。
Q1. 運転と一人対応そのものが苦痛ですか?
YES → 訪問自体が合っていない可能性。別領域を検討
NO → Q2へ
Q2. しんどさの原因は「件数」「ルート」「担当変更」ですか?
YES → 事業所の問題。職場を変えれば解決する可能性が高い
NO → Q3へ
Q3. 給料に納得できていますか?
NO → 営業を療法士が背負う構造かどうか確認。該当すれば事業所の問題
Q2とQ3に当てはまるなら、辞めるのは早いです。訪問を続けたまま、環境だけ変えられます。
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訪問を続けたまま環境を変える方法
同じ訪問リハビリでも、事業所によって条件はまったく違います。
ただ、その違いは求人票を見ても分かりません。この記事で挙げた3つは、どれも求人票に載らない情報です。
- 営業は事業所がやるのか、療法士がやるのか
- 担当変更はどこまで柔軟に対応してもらえるか
- 1日の件数上限と、移動時間の組み方
だからこそ、内部事情を知っている人に確認してもらうのが一番早いです。転職エージェントは、この手の情報を持っていることがあります。
登録して聞くだけなら無料ですし、今すぐ転職する必要もありません。「他の事業所はどうなのか」を知るだけでも、判断材料が増えます。
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よくある質問
戻れます。訪問経験は在宅生活を知っているという強みになるので、退院支援や生活期のリハビリでは評価されます。
短期離職が続くと説明は必要になりますが、1回であれば理由を整理して伝えられれば大きな問題にはなりません。体調や心に影響が出ているなら、早く動く方が優先です。
なる可能性はあります。だからこそ、この記事で挙げた3点(営業の担当・担当変更の柔軟さ・件数とルート)を必ず確認してください。ここを確認せずに移ると、同じ環境を引き当てます。
まず相談する価値はあります。ルートや担当の調整で解決することもあります。ただ、相談しても何も変わらない事業所であれば、それ自体が答えです。
まとめ
✓ 辞めたくなる原因の多くは「訪問」ではなく「事業所の作り」にある
✓ 「思ったより稼げない」の正体は、営業まで療法士が背負う構造
✓ クレームより、担当を替えられないことの方がきつい
✓ 移動の疲労はルート編成でまったく変わる
✓ 運転・一人対応そのものが苦痛なら、訪問自体が合っていない
✓ 求人票には載らない3点を確認すれば、同じ失敗は避けられる
私は訪問8年目で、辞めたいと思ったことが一度もありません。今の事業所は退職者もほとんど出ません。
これは私がタフだからではなく、辞める理由が起きにくい作りになっているだけです。
同じ訪問リハビリでも、事業所が違えば別の仕事だと思ってください。
いま辞めたいと感じているなら、その原因が訪問なのか、今の職場なのかを切り分けてください。
職場が原因なら、辞める前にできることがあります。
