✓ 理学療法士のまま年収600万円に届くのか知りたい
✓ 600万円を超えている人がどれくらいいるのか気になる
✓ 何から始めれば年収が上がるのか分からない
「理学療法士で年収600万円って、本当に届くの?」
ネットで調べると「可能です」という記事がたくさん出てきます。
ただ、最新の公的データで確かめてみると…本業だけで届く人は、かなり限られていました。
・理学療法士15年目/訪問リハビリ8年目の現役PT
・リハ職のお金と転職に特化したブログ「お金のリハビリテーション室」運営
・老健から訪問へ移り、年収450万円 → 500万円
・本業と並行して副業を継続中
この記事では、令和7年の賃金データでどの年齢・どの職場なら600万円に届くのかを確かめたうえで、現実的な目指し方をまとめます。
✓ 理学療法士等の平均年収は約444万円
✓ 年齢別の平均は、最も高い50〜54歳でも約549万円
✓ 平均で600万円を超えるのは、従業員1,000人以上の法人の45〜54歳だけ
✓ 600万円の水準にいる人は、多く見ても15人に1人
✓ 現実的なのは、本業で安定を取り、副業で上乗せする形
理学療法士で年収600万円は可能か
まずは平均の数字から確認します。
理学療法士の平均年収
| 平均年齢 | 年収の目安 | 600万円との差 | |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 36.2歳 | 約444万円 | 約156万円 |
| 男性 | 36.7歳 | 約467万円 | 約133万円 |
| 女性 | 35.5歳 | 約417万円 | 約183万円 |
平均との差は約156万円。月に直すと13万円ほど足りない計算です。
※公的統計では、理学療法士は作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士とまとめて集計されています。
年齢別の年収
「年齢を重ねれば届くのでは」と思うかもしれません。年齢別に並べると、こうなります。
| 年齢 | 年収の目安 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 約338万円 |
| 25〜29歳 | 約398万円 |
| 30〜34歳 | 約432万円 |
| 35〜39歳 | 約457万円 |
| 40〜44歳 | 約482万円 |
| 45〜49歳 | 約520万円 |
| 50〜54歳 | 約549万円 |
| 55〜59歳 | 約525万円 |
いちばん高い50〜54歳でも約549万円。平均で見ると、どの年代も600万円に届いていません。
※60〜64歳は約593万円ですが、集計の対象人数が少ないため表から外しています。
企業規模別の年収
ひとつだけ、平均で600万円を超える層があります。従業員1,000人以上の法人で働く45〜54歳です。
| 年齢 | 企業規模計 | 1,000人以上 |
|---|---|---|
| 35〜39歳 | 約457万円 | 約479万円 |
| 40〜44歳 | 約482万円 | 約511万円 |
| 45〜49歳 | 約520万円 | 約601万円 |
| 50〜54歳 | 約549万円 | 約605万円 |
大きな法人ほど賞与が多く、年齢とともに差が開いています。本業だけで600万円を狙うなら、「大きな法人に長く勤める」が統計上の答えになります。
ただし、45歳を過ぎるまで待つ必要があり、全員が役職に就けるわけでもありません。
理学療法士で年収600万円を超える人の割合
では、実際に600万円の水準にいる人はどれくらいいるのでしょうか。
年収そのものの分布は公表されていないため、毎月の基本的な給与(所定内給与額)の分布から推計します。
月の所定内給与額で見た割合
- 月45万円以上:約2.5%(およそ40人に1人)
- 月40万円以上:約6.5%(およそ15人に1人)
- 上位10%の境目:月37.5万円
- 真ん中の人(中央値):月28.6万円
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第17表から算出
平均的な賞与(約72万円)と残業代を足すと、所定内給与が月45万円前後で年収600万円に届きます。
つまり、年収600万円の理学療法士は、多く見ても15人に1人。厳しく見れば40人に1人という水準です。
上位10%に入っても、年収にすると530万円台。600万円は「上位10%のさらに上」です。
※所定内給与額は残業代・賞与を含まない月の給与です。賞与は人によって違うため、割合は目安です。
私の周りの理学療法士にも、年収600万円を超えている人はいません。
昇給で年収600万円に届くか
年齢別の表から、年収の伸び方を計算してみます。
年齢別の平均から見た年収の伸び
- 25〜29歳 約398万円 → 50〜54歳 約549万円
- 25年間で約151万円の増加
- 1年あたり約6万円の伸び
- 50〜54歳の平均から600万円まで、まだ約51万円の差
1年に約6万円のペースでは、平均どおりに昇給しても600万円の手前で伸びが止まります。55歳以降は平均が下がっているためです。
今の職場で昇給を待つだけでは、600万円には届きにくい。「働く場所」か「収入源」のどちらかを変える必要があります。
昇給が伸びない構造はこちらで解説しています▼
理学療法士が本業で年収600万円を目指す方法
本業の収入を上げる方法は、主に3つです。
訪問リハビリへの転職
訪問リハビリには、訪問の件数に応じてインセンティブがつく給与体系の事業所があります。件数を増やすほど収入が上がるので、病院や施設の給与表より上を狙えます。
私は老健から訪問に移って、年収が450万円から500万円になりました。転職ひとつで、昇給何年分にもなる差です。
一方で、件数が減れば収入も減ります。利用者のキャンセルや休みが、そのまま給料に響く点は知っておいてください。
訪問リハビリの給料が高い理由はこちら▼
規模の大きい法人への転職
統計で600万円に届いていたのは、従業員1,000人以上の法人です。統計では、大きな法人ほど賞与が多く、45歳以降で差が大きく開いています。
すぐに上がるわけではありませんが、長く勤めるつもりなら有力な選択肢です。
管理職
主任や科長になれば、役職手当がつきます。
ただ、管理の仕事が増えるぶん、時間あたりで見ると割に合わないこともあります。
職場の先輩は、主任になって仕事が増え、時間単価は下がったとこぼしていました。役職を目指すなら、手当の額と増える仕事を事前に確認しておくのがおすすめです。
| 方法 | 上がるまでの時間 | 確実さ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 訪問リハビリへの転職 | 転職した年から | 件数しだい | 休み・キャンセルで減る |
| 大きな法人への転職 | 10年単位 | 給与表しだい | 45歳以降で届く水準 |
| 管理職 | ポストが空くまで | 人数が限られる | 仕事が増え、時間単価が下がることも |
どの方法も、本業だけで600万円に届くまでには時間か運が必要です。
本業と副業で年収600万円を目指す方法
ここまでのデータを踏まえて、私が現実的だと考えているのがこの形です。
本業は安定、副業で上乗せ
本業で600万円を目指すと、役職や年齢を待つことになります。
そこで、本業には安定した収入を求め、足りない分を副業で取りに行く。役割を分けると、目標までの道のりが短くなります。
本業と副業の組み合わせ例
- 本業500万円+副業100万円(月約8.3万円)
- 本業450万円+副業150万円(月12.5万円)
- 平均の444万円なら、副業で月約13万円
本業を訪問などで500万円前後まで上げておくと、副業で必要な額が月8万円台まで下がります。本業の底上げと副業は、どちらか一方ではなくセットで考えるのがポイントです。
※組み合わせは計算の例です。副業の収入は種類や経験によって大きく変わります。
副業がしやすい職場の条件
副業で上乗せするには、副業に使える時間と、副業が認められる環境が必要です。
副業がしやすい職場の条件
- 就業規則で副業が認められている
- 残業が少なく、定時で帰れる
- 休みの希望が通りやすい
- 移動や待機など、日中に細切れの時間がある
私は早朝や夜、訪問の合間の時間を使って、月40時間ほど副業の時間を作っています。本業の働き方が合っていないと、この時間はまず作れません。
残業が多い職場や、副業が禁止されている職場では、どれだけ意欲があっても上乗せできません。年収600万円への近道は、「副業ができる職場」を選ぶところからです。
理学療法士の副業の選び方はこちら▼
今の職場で時間が作れないなら、職場を変えるのも方法です。レバウェルリハビリのような転職エージェントなら、給与だけでなく、残業時間や副業の可否も求人ごとに確認してもらえます。
年収600万円の手取り
最後に、年収600万円になったときに手元に残る額を計算します。
| 項目 | 年間の金額 |
|---|---|
| 額面(月給42万円×12+賞与96万円) | 600万円 |
| 健康保険料 | 約29万円 |
| 厚生年金保険料 | 約54万円 |
| 雇用保険料 | 約3万円 |
| 所得税 | 約15万円 |
| 住民税 | 約31万円 |
| 手取り | 約468万円(約78%) |
年収600万円でも、手取りは約468万円。月に平均すると39万円ほどです。
※東京都・協会けんぽ・40歳未満・扶養なし・一般の事業で試算。住民税は同じ年の所得で計算した目安です。40歳以上は介護保険料が加わります。
額面から引かれるお金の仕組みはこちら▼
理学療法士の年収600万円に関するよくある質問
条件つきの金額であることが多いので、内訳を確認してください。インセンティブを最大まで取った場合や、役職に就いた場合の金額が書かれていることがあります。基本給・賞与・手当・インセンティブのどこで600万円になるのかを、面接や転職エージェントを通して確認すると安心です。
家計の収入としては含めて考えて構いません。ただし税金の扱いは別で、副業の所得が年20万円を超えると確定申告が必要になります(給与が1か所の場合)。詳しくは国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」で確認してください。
目指せます。ただし統計上の平均は女性が約417万円で、男性より約50万円低い水準です。本業だけで届くのはさらに難しくなるため、時間の融通がきく職場で副業を組み合わせる方法が現実的です。
公的統計では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士がまとめて集計されています。この記事の数字は4職種をまとめた平均なので、職種別の差までは分かりません。
平均の約444万円から600万円に上がると、この記事と同じ前提で計算すると、社会保険料・所得税・住民税の合計は年間で約39万円増えます。額面が約156万円増えても、手取りの増え方は約117万円です。
まとめ|理学療法士の年収600万円は本業と副業で目指す
✓ 理学療法士等の平均年収は約444万円
✓ 年齢別の平均は最も高い50〜54歳でも約549万円
✓ 平均で600万円を超えるのは、1,000人以上の法人の45〜54歳だけ
✓ 600万円の水準の人は、多く見ても15人に1人
✓ 本業の底上げは訪問・大きな法人・管理職の3つ
✓ 現実的なのは、本業で安定を取り副業で上乗せする形
✓ そのために、副業ができる職場選びが先
理学療法士の年収600万円は、本業だけを見ると狭き門です。
ただ、本業と副業を組み合わせれば、道は一気に広がります。本業で収入の土台を上げ、副業で上乗せする。その両方ができる職場を選ぶのが、600万円への現実的なルートです。
本業で安定を取り、副業でしっかり攻める。今の職場でそれができるかどうかを、一度確かめてみてください。
参考文献・出典一覧
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(一般労働者 職種 第1表・第5表・第17表)
- 国税庁「No.1199 基礎控除」/「No.1410 給与所得控除」(手取りの試算)
- 協会けんぽ 令和8年度 都道府県毎の保険料率/日本年金機構 保険料額表
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」




