「このまま臨床を続けて、体が持つだろうか」
「給料も上がらないし、将来が不安すぎる」
14年間PTとして働いてきた私も、同じことを何度も考えてきました。そして今、PTを続けながらWebライター・ディレクターというセカンドキャリアを実践中です。
「セカンドキャリア」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、要は「PTとしての収入・キャリア以外の柱を作る」ということです。早めに動き始めるほど選択肢が広がります。
この記事では、年代別の考え方・具体的な選択肢・難易度の正直な評価に加え、周囲のPTの実際のセカンドキャリア事例も紹介します。「自分にどの道が合うか」を判断する材料にしてください。
まずは「転職」という選択肢を情報収集する(無料)
セカンドキャリアの前に、今の職場より条件の良い転職先があるか確認するのも重要です。PT専門エージェントへの登録は無料です。
理学療法士がセカンドキャリアを考えるのは当然の時代
少し前まで「PTは資格があれば一生安泰」という空気がありました。しかし14年間この業界にいると、それが幻想だったとはっきりわかります。
体力的な不安は年々リアルになる
PTの仕事は体力勝負です。移乗介助・歩行介助・床からの起き上がり補助…。20代のうちは気にならなかった身体的な負担が、30代・40代になるにつれてじわじわとこたえてきます。
「60歳まで今の働き方を続けられるか?」と正直に問われると、自信を持ってYesと言えません。これはPTとして長く働いてきた人ほどリアルに感じる問いです。
昇給しない構造は変わらない
理学療法士の平均年収は約432万円(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」)。勤続年数が上がっても給料が大きく伸びない施設が多く、「頑張っても報われない」という閉塞感が転職やセカンドキャリアを考えるきっかけになります。
→ 【関連記事】理学療法士は昇給しないって本当⁉ 給料が上がらない理由と対策を解説
PTの供給過多が進んでいる
有資格者数は令和5年時点で約22万人を超え、毎年約1万人が新たに誕生しています。需要の伸びに対して供給が上回るペースで増え続けており、「PTという資格だけでは差別化できない時代」が来ています。
こうした現実を踏まえると、PTとしてのキャリアに加えて「もう一本の柱」を作るセカンドキャリアの発想は、むしろリスクヘッジとして合理的な選択です。
【年代別】セカンドキャリアの考え方と動き出すタイミング
20〜30代:可能性が最も広い。早く動くほど有利
この年代は体力・吸収力・時間のすべてが揃っています。セカンドキャリアを始めるなら20〜30代が最も有利です。
「まだ若いから大丈夫」と思いがちですが、実際には20代のうちに動き始めた人ほど、30代・40代で大きな差がつきます。副業でスキルを積む・資格を取る・転職で環境を変えるなど、選択肢が最も広い時期です。
40代:PTの専門性を活かす方向が現実的
40代になると、PTとして10〜20年の経験・人脈・専門知識が蓄積されています。この年代でのセカンドキャリアは「PTの経験を横展開する」方向が現実的です。
ゼロから全く違う業種に転向するより、PTの知識・経験・信頼性を武器にした独立・起業・コンサル業が向いています。
50代以降:定年後も視野に入れた設計を
体力的な限界を感じ始める時期でもあり、「フルタイム臨床からの出口戦略」を考える時期です。非常勤PTとして働きながら、別の収入源を持つ形が理想的なモデルになります。
理学療法士のセカンドキャリア6選【難易度・おすすめ度つき】
① 訪問看護ステーション経営・管理者
| 難易度 | ★★★★☆ 高い |
| 収入目安 | 年収500万〜(規模次第で青天井) |
| PTとの親和性 | ★★★★★ 最高 |
PTとしての臨床経験・在宅リハビリの知識・患者・家族との関係構築力——これらをそのまま活かせるのが、訪問看護ステーションの経営・管理者ポジションです。
実際に私の周囲でも、訪問看護ステーションの経営者になったPTがいます。病院勤務から訪問に転職し、現場を知り尽くした上で独立した形です。「PTの経験がそのまま経営の強みになる」と話していました。
難易度は高いですが、PTのキャリアを最大限に活かせる選択肢の一つです。まずは訪問看護ステーションへの転職・管理者経験を積むことがスタートラインになります。
② 健康経営コンサルタント
| 難易度 | ★★★★☆ 高い |
| 収入目安 | 年収500万〜(実績次第でそれ以上) |
| PTとの親和性 | ★★★★☆ 高い |
近年注目されているのが健康経営コンサルタントです。企業の従業員の健康管理・生産性向上をサポートする仕事で、PTの運動・姿勢・身体機能に関する専門知識が直接活きます。
周囲のPTにも、この道に進んだ人がいます。企業向けのセミナー・研修・健康診断後のフォローアップなどを担い、「病院・施設に縛られない働き方」を実現しています。
「健康経営エキスパートアドバイザー」などの資格を取得するとアピールしやすく、人事・総務担当者とのパイプを作ることが成功の鍵です。
③ ケアマネジャー(介護支援専門員)
| 難易度 | ★★★☆☆ 中程度 |
| 収入目安 | 年収350万〜450万円 |
| PTとの親和性 | ★★★★☆ 高い |
PTとして5年以上の実務経験があれば受験資格があり、比較的取り組みやすいセカンドキャリアです。介護保険の知識・多職種連携・利用者・家族とのコミュニケーションはPTの経験がそのまま活きます。
ただし収入面では現状のPT平均と大きく変わらないケースも多く、「体力的な負担を減らしたい」「マネジメント寄りの仕事をしたい」という動機で選ぶ方が向いています。
④ 医療・福祉用具メーカーの営業・コンサル
| 難易度 | ★★★☆☆ 中程度 |
| 収入目安 | 年収400万〜600万円(インセンティブ次第) |
| PTとの親和性 | ★★★★☆ 高い |
医療機器・福祉用具メーカーへの転職は、PTの臨床経験を「現場を知るプロ」として最大限に活かせるキャリアです。営業職でもPTの専門知識があることで、医療従事者からの信頼を得やすく、説得力のある提案ができます。
インセンティブ制度がある企業では、頑張り次第で年収600万円以上も十分狙えます。また体力的な負担が大幅に減るため、「体を使う臨床をいつまでも続けるのは不安」と感じている方に特に向いています。
⑤ Webライター・医療コンテンツ監修
| 難易度 | ★★☆☆☆ 比較的始めやすい |
| 収入目安 | 副業:月3万〜15万円、専業:月20万〜 |
| PTとの親和性 | ★★★★★ 最高 |
PTの専門知識を活かした医療・健康系のWebライターは、初期投資ゼロ・在宅でできる・PTを辞めずに並走できるという三拍子が揃った副業です。
私自身が選んだのもこの道です。「体力的に臨床を続けることへの不安」と「昇給しない現実」がきっかけでした。PTを続けながら副業としてライター・ディレクターを3年以上続け、今では月15万円の収入になっています。PTの安定感を手放さずに収入の柱を増やせたのが一番よかった点です。
医療専門ライターの文字単価は5〜15円と高く、PT資格を持っているだけで一般ライターと大きな差別化ができます。記事監修(1本1万〜3万円)という形での収入も狙えます。
⑥ パーソナルトレーナー・スポーツ分野への転身
| 難易度 | ★★★☆☆ 中程度 |
| 収入目安 | 副業:月2万〜10万円、独立後は青天井 |
| PTとの親和性 | ★★★★☆ 高い |
解剖学・運動学・リハビリの専門知識を持つPTは、パーソナルトレーナーとして非常に高い信頼性を持ちます。休日を使ったスポットトレーニングや、オンラインでのコンディショニング指導など、PTを続けながら週末副業として始めやすい選択肢です。
ただし、体力的な負担はPTの臨床と変わらない点には注意が必要です。「体力的な将来への不安から脱したい」という動機の場合は、別の選択肢を検討しましょう。
セカンドキャリアの前に転職という選択肢も(無料相談)
「今の職場より条件の良いところに転職する」だけで年収・環境が大きく変わることもあります。PT専門エージェントに無料で相談できます。
セカンドキャリア6選まとめ比較表
| 選択肢 | 難易度 | 収入目安 | PT辞めずにOK? | 体力負担 |
|---|---|---|---|---|
| 訪看ステーション経営 | ★★★★☆ | 500万〜 | △ | 中 |
| 健康経営コンサル | ★★★★☆ | 500万〜 | ○ | 低 |
| ケアマネジャー | ★★★☆☆ | 350〜450万 | △ | 低 |
| 医療機器・福祉用具営業 | ★★★☆☆ | 400〜600万 | △ | 低 |
| Webライター・監修 | ★★☆☆☆ | 副業月3〜15万 | ◎ | なし |
| パーソナルトレーナー | ★★★☆☆ | 副業月2〜10万 | ◎ | 高 |
セカンドキャリアを成功させるための3つのポイント
① PTを辞める前に動き始める
PTの安定した収入・社会的信頼性は、セカンドキャリアを模索する期間の「安全網」になります。いきなりPTを辞めて別の道に飛び込むのはリスクが高く、収入が途絶えると焦りが生じ、判断が狂います。
副業・勉強・情報収集はPTを続けながら始め、軌道に乗ってから移行を検討するのが最も安全な方法です。
② 「PTの経験」を強みとして言語化する
セカンドキャリアで多くのPTが躓くのが「自分の強みがわからない」という壁です。しかし14年間PTとして働いてきた経験は、他業種から見ると非常に価値があります。
- 解剖学・運動学・疾患の専門知識
- 患者・家族への説明・コミュニケーション能力
- 多職種連携・チームワークの経験
- 観察力・問題解決能力
これらを「業界外の言葉」に翻訳することが、セカンドキャリアの第一歩です。
③ 転職エージェントで「市場価値」を知る
セカンドキャリアを考え始めたら、まずPT専門の転職エージェントに登録して「自分の経験が市場でどう評価されるか」を知ることをおすすめします。
転職しなくても、自分の市場価値を把握しておくだけで、セカンドキャリアの方向性が見えてきます。完全無料で使えるので、情報収集として活用するだけでも十分に価値があります。
→ 【関連記事】理学療法士におすすめの転職サイト・エージェント比較ランキング【2026年版】
まとめ:PTの経験は「武器」。セカンドキャリアは早めに動くほど有利
- 体力的な不安・昇給しない現実・供給過多——理学療法士がセカンドキャリアを考えるのは時代の流れとして自然
- セカンドキャリアの選択肢は「PTを活かす方向」と「別の道」の大きく2つ
- 即効性・体力負担の少なさで選ぶならWebライター・監修が最も始めやすい
- PTの専門性を最大限に活かすなら訪看ステーション経営・健康経営コンサルが魅力的
- PTを辞める前に動き始めることがセカンドキャリア成功の最大のコツ
- まずはPT専門エージェントで自分の市場価値を把握するのが最初の一歩
まずは自分の市場価値を知る(無料)
セカンドキャリアの第一歩は「今の自分がどう評価されるか」を知ること。
PT専門エージェントに登録して、非公開求人の情報を手に入れましょう。
→ 【関連記事】理学療法士で勝ち組になる方法|年収・キャリア・生活を全部上げる戦略
→ 【関連記事】理学療法士の転職は何回まで大丈夫?現役14年目PTが正直に解説
【データ出典】
・理学療法士の平均年収(約432万円):厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
・PT有資格者数(約22万人超):公益社団法人日本理学療法士協会「統計情報」
