- 理学療法士って本当に稼げないの?
- 稼げているPTと自分、何が違うのか知りたい
- 何から始めればいいかわからない
- このまま同じ職場にいていいのか不安がある
「理学療法士って稼げないよね」
先輩の一言、転職サイトの年収データ、友人との給料の話。そのたびに「PTってこんなものか」と自分に言い聞かせてきた方も多いはずです。
私も同じでした。老健に7年いて、その間の昇給は合計14,000円です。年に2,000円ずつでした。
私も最初の数年は「こんなものか」と諦めていました。
でも訪問リハビリに移って、年収は450万円から500万円になりました。
7年間の昇給が14,000円。転職1回で50万円。差は35倍以上です。
「稼げるPT」と「稼げないPT」の差は、能力でも努力量でもありません。知っているか、動いているかの差です。
この記事では、14年目の現役PTが、稼げているPTとの具体的な違いと、今日から動ける5つの方法を解説します。
「理学療法士は稼げない」はデータで裏付けられている
まず現実を直視します。「なんとなく給料が低い気がする」という感覚には、根拠があります。
30代で全職種平均に逆転される
厚生労働省「令和5年 賃金構造基本統計調査」をもとに、年代別に比較します。
| 年齢 | 理学療法士 | 全職種平均 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 約335万円 | 約273万円 | +62万円 |
| 25〜29歳 | 約388万円 | 約379万円 | +9万円 |
| 30〜34歳 | 約420万円 | 約421万円 | ▲1万円 |
| 35〜39歳 | 約445万円 | 約458万円 | ▲13万円 |
| 40〜44歳 | 約493万円 | 約489万円 | +4万円 |
| 50〜54歳 | 約547万円 | 約530万円 | +17万円 |
20代前半は国家資格の恩恵で上回ります。ところが30代で逆転され、最もキャリアを積む35〜39歳で全職種平均より13万円低くなります。
ちなみに理学療法士の平均年収は、最新の令和6年調査で444万円です。全給与所得者の平均460万円(国税庁 令和5年)と比べると16万円低い水準です。
国家資格を取り、経験を積んでも、年齢を重ねるだけでは報われない構造になっています。
私の昇給は年2,000円でした
「給料が上がらない感覚」を、自分の数字で示します。
老健に7年勤務 → 昇給は年2,000円程度 → 合計 約14,000円
7年です。1年ではありません。
真面目に働いて、勉強もして、単位も取って、それで14,000円でした。
当時の自分に「早く動け」と言いたいです。
このペースだと、10年働いても月2,000円ほどしか変わりません。今の職場に居続けるという選択の意味が、数字にするとよく分かります。
給料の内訳はこちらにまとめています▼
稼げない3つの構造的な原因
給料が低いのは、個人の努力不足ではありません。業界の構造の問題です。
- 診療報酬がスキルに連動しない
新人も20年目のベテランも「1単位=20分」で同額。技術を磨いても収入に直結しない - 供給過多で賃上げ圧力がかからない
2026年3月の国家試験でも11,156人が合格。「PTが足りないから給料を上げよう」という動機が生まれにくい - 診療・介護報酬が下がり続けている
財政圧縮でリハビリ報酬は改定のたびに引き下げ。施設の収益が上がらない以上、給料も上がらない
この3つは個人ではどうにもできません。だからこそ、今の職場・今の働き方の枠内だけで解決しようとするのが最大の間違いです。
なぜ昇給しないのか。その構造はこちらで詳しく解説しています▼
稼げているPTとの決定的な違い3つ
構造は変えられません。それでも同じ業界で、年収が100〜200万円違うPTが実在します。
違い① どこで働くかの選択
年収格差の最大の要因は施設の種類です。
| 施設種別 | 年収の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 急性期・回復期病院 | 300〜420万円 | スキルは上がる・残業多め |
| 老健・デイサービス | 300〜420万円 | 残業少なめ・昇給はほぼない |
| 外来クリニック | 300〜500万円 | 土日休み・収入の幅が広い |
| 訪問リハビリ | 360〜600万円 | インセンティブあり・時間の自由度が高い |
最も年収が変わるのは訪問リハビリへの転職です。インセンティブ制の事業所では、件数がそのまま収入に乗ります。
給料だけでなく、時間の使い方も自由になりました。
違い② 収入の柱が何本あるか
稼げているPTには、本業以外の収入源があるという共通点があります。
- 非常勤・掛け持ち:週1回で月2〜6万円の上乗せ
- 医療・健康系ライター:PT知識を活かせる。月1〜3万円から
- ブログ・アフィリエイト:時間はかかるが積み上がる
- セミナー・オンライン講師:運動指導や転倒予防をコンテンツ化
本業の昇給が年2,000円でも、副収入で月3万円あれば年36万円です。桁が違います。
違い③ 稼ぐだけでなく増やしているか
最も見落とされているのがここです。手元に残ったお金を増やす仕組みを持っているかで、将来が変わります。
月1万円を年率5%で積み立てた場合の試算です。
| 期間 | 元本 | 運用後(想定) |
|---|---|---|
| 10年 | 120万円 | 約155万円 |
| 20年 | 240万円 | 約411万円 |
| 30年 | 360万円 | 約832万円 |
月1万円でも30年で元本の約2.3倍になります。※あくまで想定利回りでの試算で、元本は保証されません。
家族が増えたとき、始めておいてよかったと本当に思いました。
理学療法士が稼ぐ5つの方法
ここからは具体策です。私が実践してきたことと、身近なPT・OTが効果を実感しているものに絞ります。
方法① インセンティブ制の職場へ転職する
最も即効性が高いのは転職です。
訪問リハビリのインセンティブは、1件あたり数百〜数千円が給与に上乗せされる仕組みです。
1件1,500円 × 月100件 = 月15万円の上乗せ
基本給25万円 + インセンティブ15万円 = 月収40万円 → 年収480万円
件数は事業所や地域で変わりますが、インセンティブ次第で年収が100〜200万円変わるのが訪問リハビリです。
ただし注意点があります。「インセンティブ制度あり」と書いてあっても、その件数をどう確保するのかは求人票に載りません。営業まで療法士が背負う事業所では、制度が名ばかりになります。
だからこそ、内部情報を確認できるPT専門の転職エージェントを使うのが確実です。
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どのサービスを使うかは、こちらで比較しています。
方法② 非常勤・掛け持ちで上乗せする
すぐに転職できない方には非常勤の掛け持ちという選択肢があります。
- 日曜のデイサービス非常勤 → 日当1〜1.5万円 × 4回 = 月4〜6万円
- 月3〜4回の訪問リハビリ非常勤 → 月3〜5万円
- フィットネス施設の週末講師 → 時給2,000〜3,000円程度
月3〜5万円でも、年間なら36〜60万円です。本業の昇給と比べると桁が違います。
ただし体への負担が大きいので、短期集中の期間として位置づけてください。週6勤務が続くと燃え尽きます。
方法③ 異業種副業で業界依存から抜ける
掛け持ちは「体を売る」副業です。もう一つがPTの知識を別の形でお金に変える方法です。
- 医療・健康系ライター:専門知識で一般ライターと差別化できる。文字単価2〜5円の案件もある
- ブログ・アフィリエイト:初期は収益ゼロだが、記事が積み上がると継続収入になる
- 動画編集・SNS運用:業種を問わず需要がある。スキマ時間で対応しやすい
- オンライン講師:転倒予防・認知症予防などは一般向けにニーズがある
最大のメリットは、診療報酬の改定や職場の方針に左右されない収入源になることです。
なお、始める前に就業規則で副業が認められているか必ず確認してください。
方法④ NISA・iDeCoで増やす仕組みを作る
「稼ぐ」だけでなく「増やす」も同時に動かします。
| 制度 | 特徴 |
|---|---|
| 新NISA | 運用益が非課税。いつでも引き出せる |
| iDeCo | 掛金が全額所得控除で節税になる。ただし60歳まで引き出せない |
iDeCoで月2万円(年24万円)を拠出し、税率が20%なら年間約4.8万円の節税になります。
始めるならNISAが先です。iDeCoは引き出せないため、家計に余裕が出てから追加するのが現実的です。
方法⑤ 管理職・認定PTで本業を底上げする
転職も副業も抵抗があるなら、今の職場の中で上げる方法もあります。
- 管理職へのキャリアアップ:役職手当が月2〜5万円。ただし業務量と残業も増える
- 認定・専門理学療法士:資格手当が月5,000〜1万円の職場もある。取得費用と時間は要考慮
- 実習指導者講習の修了:施設への貢献として評価されることがある
正直に言うと、これらは上限が低く、根本的な解決にはなりません。①〜④と並行して進めるのが現実的です。
よくある質問
本業一本では厳しいですが、訪問リハビリへの転職+非常勤の掛け持ちを組み合わせれば到達しているPTはいます。複数の収入源を作るという前提なら、現実的な数字です。
確定申告で住民税を「普通徴収」にすれば、職場に情報が流れにくくなります。ただし副業を禁止している職場もあるので、まず就業規則を確認してください。
NISAからです。iDeCoは60歳まで引き出せないため、万が一のときに動かせません。NISAはいつでも引き出せるので、最初の一歩に向いています。
「インセンティブは何件目からいくらか」「1人あたりの月平均訪問件数」「営業は事業所がやるのか」の3つを必ず確認してください。特に3つ目は求人票に載らず、収入を大きく左右します。
非常勤の掛け持ち、異業種副業、NISAの活用です。手っ取り早く増やすなら掛け持ち、体力的に無理をしたくないならライターやブログが向いています。
まとめ|稼げるPTに変わる3ステップ
✓ 理学療法士は35〜39歳で全職種平均を13万円下回る
✓ 私の昇給は老健7年で合計14,000円。転職1回で年収+50万円
✓ 稼げない原因は構造。今の職場の枠内では解決しない
✓ 差がつくのは「どこで働くか」「収入の柱が何本か」「増やしているか」
✓ 最も即効性が高いのは転職。次に副業、並行して資産形成
最後に、効果的な順番をまとめます。
STEP 1|転職エージェントに登録して情報を集める
「転職するか」より先に「他にどんな職場があるか」を知る。現状を客観視できます。
STEP 2|収入の上がる職場へ移る
即効性が最も高い。時間の余裕も生まれ、次の一手が打てるようになります。
STEP 3|生まれた時間で副業と資産形成を動かす
増えた収入と時間を、増やす仕組みに乗せます。
稼げないPTと稼げているPTの差は、能力ではなく動いたかどうかです。
全部やらなくていいです。まず登録だけでも動いてみてください。
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