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【理学療法士ってオワコン?】7つの理由と5つの対策を併せて解説!

こんな方にオススメ!
  • 理学療法士が本当にオワコンなのか知りたい
  • 理学療法士を続けるメリットを知りたい
  • 今後どんな活動をしていけばいいのか知りたい

「理学療法士ってオワコンなの?」

と、不安に感じている人は多いのではないでしょうか?

私も臨床経験13年目の理学療法士ですが、同じように不安になりました。

子どもが大きくなり、今後のキャリアや給料に悩む時期ですよね?

結論!理学療法士はまだまだ『オワコン』ではありません!

ただし、どんな療法士がオワコンになってしまうのかを理解しておかないと、本当に『オワコン療法士』になっていしまいますよ。

この記事を読むと、理学療法士の今後と、対策がわかります。

アニ
アニ

オワコン化してしまう前に必ず行動しましょう。

理学療法士が「オワコン」と言われる7つの理由

理学療法士がオワコンと言われてしまう理由は7つあります。

  • 昇給しにくい
  • 給料が安い
  • 体力的にきつい
  • 理学療法士の人数が増えすぎている
  • 高齢化のピークが今
  • スキルが給料に反映されにくい
  • 年功序列が根強い

順番に解説していきます。

1. 昇給しにくい

理学療法士は、昇給率が他職種と比べてかなり低い傾向にあります。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると初任給~若手のときの伸び率は他の業種と比較しても決して低くはありませんが、30代以降になると、昇給率が横這いになってきます。

実際、私も最初の職場は8年勤めましたが、基本給はほとんど変わりませんでした。

一方で、営業職の友人は年収1,000万円を超えていると聞き、正直ショックを受けたこともあります。

昇給しない原因は以下のとおり。

  • 診療報酬の枠が固定されており、職場側も利益を上げづらいから
  • 毎年、5,000円~10,000程度の定期昇給制となっているから
  • 管理職ポストが少ないから

さらに、リハビリテーションにおける報酬は改定が相次いでいます。

つまり、患者様は増えているのに報酬が下がることで、業務に尽くしても給料に反映されないため、「オワコン」と言われてしまうのでしょう。

他にも昇給しない理由があるので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

2. 給料が安い

理学療法士の給料は、他の医療職と比べても高くありません。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると理学療法士の初任給は月収約23万円、賞与込みの年収だと約292万円となっています。

初任給こそ安くはありませんが、夜勤などがないため、他の医療種と差が開いていく傾向にあります。

職種平均年収
理学療法士(PT)約431万円
看護師約508万円
臨床検査技師約509万円
診療放射線技師約544万円
薬剤師約583万円

しかも、病院内で役職がついて責任や業務量が増えても、残念ながら給与給与にあまり反映されません。

さらに、勉強時間・残業時間・研修費などの自己負担を考えると、年々実質の時給が下がってしまう場合もあります。

これが「オワコン」と言われる大きな理由です。

3. 体力的にきつい

理学療法士は、肉体労働に近い仕事です。

実際に自分の肉体を使う場面が多く、体力的にきついと感じます。

具体的にきつい部分は以下のとおり。

  • 患者様の移乗介助
  • 家屋訪問での移動
  • トレーニング指導
  • 会議への参加
  • 勉強会の開催
  • 学会発表(研究など)
  • 休日に外部の勉強会参加
  • 月末には計画書、報告書の作成

など、仕事内容は多岐にわたります。

20代のうちは気にならなくても、年齢を重ねるごとに身体的な負担は大きくなります。

年齢とともに疲労が蓄積し、「このままずっと続けられるのかな」と不安になる人も多いです。

4. 理学療法士の人数が増えすぎている

理学療法士の数は年々増加しています。

人数(単位:人)
2014年9,315
2015年9,952
2016年9,272
2017年12,388
2018年9,885
2019年10,809
2020年10,608
2021年9,434
2022年10,096
2023年11,312
2024年11,282

以前は「安定した国家資格」として重宝されていましたが、現在では毎年1万人以上が新たに資格を取得し、飽和状態となりつつあります。

このままいくと、就職先の取り合いや、待遇の悪化も避けられないでしょう。

今の職場に満足して現状維持に甘んじている人ほど、若い世代に置いていかれてしまう危険があります。

5. 高齢化のピークが今

よく「理学療法士は一生安泰な仕事だね」と言われますが、本当にそうでしょうか?

2025年問題(団塊の世代が75歳を超え、後期高齢者となる時期)がちょうど今です。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

つまり、高齢者を対象にするリハビリ需要のピークは「今」なのです。

この後、需要は徐々に減少に向かっていく可能性があり、施設によっては経営が成り立たずに閉鎖に追い込まれるところも出てくるかもしれません。

スポーツ分野や小児の分野も少子化により、いずれにせよ減少傾向の可能性もあります。

アニ
アニ

先述した『理学療法士の人数が増えすぎ問題』と併せて重要と供給が崩れていく可能性は高いです。

6. スキルが給料に反映されにくい

理学療法士には多くの認定資格や技術・手技があります。

しかし、残念ながらそれらを取得しても給料に反映されることはほとんどありません。

現在、診療報酬に『認定療法士』によるリハビリテーション加算はなく、誰が施術しても同額となっています。

10万円などの高額な受講費をかけてスキルを学んでも、自動的に給与が上がる仕組みは、残念ながらありません。

資格を取得した後、稼げるかどうかはその人次第です。

高額な勉強代と長い時間をかけても、評価や待遇が変わらないなら、モチベーションを保つのも難しいですよね。

7. 年功序列が根強い

理学療法士はスポーツ経験者が多く、体育会系気質が残る職場も多いです。

そのため、いまだに年功序列の文化が根強く残っています。

たとえ若くして優れたスキルや熱意があっても、上司を追い抜くのは非常に難しい世界です。

努力よりも「長く勤めたかどうか」が出世や昇給に関わる現実は、多くの若手療法士を失望させています。

「オワコンじゃない」と言える理学療法士の5つの強み

ここまでネガティブな要素を挙げてきましたが、もちろん理学療法士には多くの魅力や安定性もあります。

強みを紹介します。

  • 国家資格ならではの安定性
  • 夜勤・サービス残業が少ない
  • 転職先が豊富にある
  • やりがいがある
  • コミュニケーションスキルが自然と身につく

順番に解説していきます。

1. 国家資格ならではの安定性

理学療法士は国家資格であり、医療・介護保険制度に守られているため、よほどのことがなければ職を失うことはありません。

倒産やリストラに合う可能性も低いです。(今後はわかりませんが…)

景気に左右されにくく、失業率も非常に低い職種です。

さらに、世間のイメージも悪くなく、立派な職業の一つと言えるでしょう。

2. 夜勤・サービス残業が少ない

理学療法士は医療職でありながら、基本的に夜勤はありません。

日中勤務がベースなので、生活リズムが整いやすく、家族との時間やプライベートを確保しやすいというメリットがあります。

さらに、介護職や看護職と比べると、時間外労働はかなり少ない方です。

もちろん、職場によって多少の残業があるところもありますが、それでも営業職などの他業種と比較してもかなり少ない方でしょう。

そのため、結婚や子育て、介護などのライフイベントを迎えた後でも、比較的働き続けやすい仕事です。

3. 転職先が豊富にある

理学療法士の活躍の場は、病院やクリニックだけではありません。

  • 回復期・維持期の病院
  • 介護施設
  • 訪問リハ
  • 整形外科クリニック
  • フィットネスジム
  • 小児領域
  • 教育機関

など、非常に多岐にわたります。

仮に今の職場が合わなくても、資格と経験があれば次の職場を探すことは比較的容易です。

実際、転職サイトを見ると常時1万件以上の求人が掲載されており、非公開求人も含めればさらに多くの選択肢があります。

また、転職エージェントのサポートを受けることで、より自分に合った条件の職場を見つけることも可能です。

自分のライフステージや価値観の変化に応じて、柔軟にキャリアを選べるのは大きな魅力です。

理学療法士の転職エージェント活用方法が知りたいときはこちら↓

4. やりがいがある

理学療法士という仕事の最大の魅力は、「目の前の人の変化に直接関われること」です。

自分の手でリハビリを提供した結果…

  • 患者様の歩行が改善したり
  • 退院できるまでADLが向上したり
  • 腰痛が緩和されたり

こんなときに、ご本人やご家族から「ありがとう」と言っていただけます。

その言葉は何よりの報酬ですし、「自分の仕事には意味がある」と深く実感できる瞬間です。

日々の積み重ねが誰かの人生に確実に影響を与えていると感じられることこそ、他の職種にはない圧倒的なやりがいではないでしょうか。

5. コミュニケーションスキルが自然と身につく

理学療法士は、患者様・ご家族・他職種スタッフなど、多くの人と日々関わる仕事です。

年齢・立場・性格もさまざまな相手と対話を重ねる中で、相手の意図をくみ取り、わかりやすく伝える力や、信頼関係を築く力が自然と身につきます。

実際、私自身もこの仕事を通じて、高齢者との会話がスムーズになり、日常生活でも人と話すことへの抵抗がなくなりました。

このようなコミュニケーション力は、他の業種に転職する際や、家庭・育児・地域活動などのプライベートの場面でも強力な武器になります。

人生100年時代において、「誰とでもうまく関われる力」は、確実に一生モノのスキルです。

理学療法士として「オワコン化」しないための対策5選

理学療法士という仕事自体はオワコンではありません。

でも、「何となく働いている人」は、本人だけが取り残されて“オワコン化”してしまうかもしれません。

では、どうすれば良いのでしょうか?

対策はこちらになります。

  • 自分だけのスキルを磨く
  • ワークライフバランスを整える
  • 貯蓄・節約を習慣化する
  • 副業で他にも収入源を持つ
  • 転職して環境を変える

順番に解説していきます。

1. 自分だけのスキルを磨く

これからの時代、「国家資格を持っているだけ」では選ばれなくなります。

医療・介護現場では人材が飽和しつつあり、他の療法士との差別化がますます重要になります。

たとえば…

  • 認定・専門療法士などの上位資格取得する
  • 高齢者リハ、小児、スポーツなどの専門領域での強みを出す
  • 発信力、ITスキルなどのプラスのスキルを身につける

など、「あなたに頼みたい」と言われる理由を一つでも多く持つことが、長く活躍するための鍵です。

自分に合った分野で“武器”となるスキルを育てましょう。

2. ワークライフバランスを整える

たとえ給料が高くても、心身ともにすり減っていたら長くは続きません。

逆に言えば、たとえ今の収入がそこまで高くなくても、自分らしい生活ができていれば満足度の高い働き方は可能です。

  • 家族との時間を大切にする
  • 自分の趣味や学びに時間を充てる
  • 健康的な生活リズムを保つ

といった、「仕事の外の充実」が、結果的に仕事へのモチベーションも支えてくれます。

自分にとっての“ちょうどいい働き方”を見つけることが、長く続けられる秘訣です。

3. 貯蓄・節約を習慣化する

診療報酬改定による収入減や、制度変更による働き方の変化は今後も起こり得ます。

そんなときのために、生活防衛資金をしっかり確保しておきましょう。

具体的には…

  • 毎月一定額を自動で積み立てる
  • 固定費を見直して、収支に余白を作る
  • 投資や家計管理の知識を身につける

以上のように、「本業だけで何とかなる」という感覚から抜け出し、自分の人生を自分で守れるマインドを育てましょう。

4. 副業で他にも収入源を持つ

今の時代、副業は特別なことではなくなりつつあります。

特に理学療法士は、医療・健康・教育など汎用性の高い知識を持っているため、副業との相性が非常に良いです。

たとえば…

  • 整体やフィットネス指導など直接スキルを活かす副業
  • ブログ・SNS・YouTubeなどで知識を発信する情報発信型の副業
  • カメラ・動画編集・イラストなど趣味を活かした副業

本業+αの収入源があることで、精神的にも経済的にも余裕が生まれ、選択肢が増えます。

副業OKの職場を選ぶか、自分で時間を作って始めてみるのがおすすめです。

5. 転職して環境を変える

理学療法士は、全国どこでも需要があり、転職しやすい職種です。

それにもかかわらず、ブラックな環境にしがみつき、心身をすり減らしてしまっては本末転倒です。

「長く勤めているから辞めづらい」、「他では通用しないかもしれない」

そんな不安は、積極的に行動すれば解消できます。

厚生労働省の「令和4年度 賃金構造基本統計調査」によると、療法士の平均転職年数は7.3年とも言われており、転職は当たり前の時代になっています。

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