と思っている療法士は多いのではないでしょうか?
おそらく、今の病院にそのまま勤めていても、昇給して年収1千万円!ということは難しいでしょう。
でも大丈夫です。
理学療法士でも昇給する方法はあります。
それは
・転職
・副業
・開業(起業)
3パターンの方法があります。
理学療法士は昇給しない
理学療法士の昇給率はほとんど平均的ということがわかります。
むしろ苦労して資格を取得した割に合わないと、業界内で言われています。
理由としては
・診療、介護報酬が年々下がっているから
・理学療法士の人数が飽和しているから
・技術料が給料に含まれないから
・リハビリ以外の仕事も増えているから
このような原因が挙げられます。
理学療法士の平均年収は厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、
【理学療法士の平均年収】 | 【年齢階層別の平均年収】 | |
20~24歳 | 約329万円 | 約269万円 |
25~29歳 | 約380万円 | 約371万円 |
30~34歳 | 約414万円 | 約413万円 |
35~39歳 | 約437万円 | 約449万円 |
40~44歳 | 約487万円 | 約480万円 |
45~49歳 | 約516万円 | 約504万円 |
50~54歳 | 約539万円 | 約520万円 |
55~59歳 | 約575万円 | 約529万円 |
やっぱり、理学療法士の初任給は少し高いですが、30代、40代ほほとんど平均的。
50代では少し上回るようですね。
このことから、理学療法士は昇給しないと言われています。
その他、初任給や退職金についても知りたい方はこちらをご覧ください。
上記の原因について詳しく解説していきます。
理学療法士が昇給しない理由①診療、介護報酬が年々下がっているから
理学療法士が昇給しない最も大きな理由は年々、診療報酬・介護報酬が下がっているからです。
少子高齢化社会において、国として医療費や介護費の保険負担が急激に増えており、それに伴い報酬を引き下げて予算を確保しようとしています。
実際、リハビリテーションにおける報酬は「患者様が長く入院していると減算」「通所リハビリテーションは個別加算が廃止される」などの改定が相次いでいます。
つまり、患者様は増えているのに、報酬が下がり医療従事者の給料に反映されないという現象が起きてしまいます。
理学療法士が昇給しない理由②理学療法士の人数が飽和しているから
理学療法士は昭和41年度第一回の国家試験が行われ、183名が資格を取得することから始まりますが、現在は増え続け、飽和状態と言われています。
特にここ10年は毎年約1万人もの理学療法士が誕生し、現在はなんと213,735人にも膨れ上がっています!
療法士の質の低下を危惧して近年は国家試験を難しくするなどの対策を講じており、
合格率は平成10年代が95%~98%なのに対して、近年は75%~85%と低下傾向ですが、正に飽和状態と言えるでしょう。
理学療法士が昇給しない理由③技術料が給料に含まれないから
残念ながら、年収アップのためのスキルアップ資格が理学療法士にはありません。
様々な分野の「認定・専門療法士」や、「手技による資格」は存在しますが、資格を苦労して勉学に励んだところで、リハビリテーションにおける報酬は変わりません。
例えば、
療法士Aさん20年目
過去に100万円ほどかけて様々な勉強会や学会参加を経て技術の向上に励んだ。
療法士Bさん15年目
あまりやる気がなく、患者様とおしゃべりすることだけが日課。
療法士Cさん1年目
入職したばかりの新人
以上3名による診療報酬は同じです。
そもそもの給料体系が、Aさんのような勉強家に高い給料を払うようにはなっていません。
理学療法士が昇給しない理由④リハビリ以外の仕事も増えているから
理学療法士の仕事はリハビリだけではありません。
・リハビリテーション実施計画書の作成
・新人教育(プリセプター制度)
・学生指導(スーパーバイザー)
・院内勉強会(資料作り含む)
・学会発表、研修参加
・担当者会議
・委員会活動
・リハビリに含まれないおむつ交換ここにテキストを入力
これらはなんと、算定ができません。
つまり、上記の仕事をこなしてもほとんど報酬にはならないのです。
理学療法士の仕事ってリハビリだけじゃなく色々ありますよね。
昇給しない理学療法士の対策3選
ここからは昇給しない理学療法士の対策をご紹介します。
私自身も実践してことのある内容になっているので、是非、参考にしてください。
対策①転職で昇給
現在日本は少子高齢化社会。
いずれはリハビリの需要は減っていくでしょう。
その中で今いる会社があなたに対して給料を上げてくれると思いますか?
診療報酬がどんどん下がる中、いくら頑張っても給料が上がる可能性は低く、ましてやただ勤めていれば勝手に上がっていくなんて事はほとんどないでしょう。
じゃあどうすればいいか?
答えは簡単、給料が上がるところに自分から行きましょう!
こちらは施設ごとの年収の幅です↓
病院 280~400万円 クリニック 300~700万円 デイサービス 300~500万円 訪問看護 360~600万円
こちらのサイトを参考にしてみてみると、病院は安め、クリニック、訪問看護が比較的高いということがわかりますね。
転職することは今の時代悪いことではなく、年収アップに加えて、スキルアップにも繋がるので、積極的に活用しましょう!
大きく2パターンあるので解説します。
人から紹介してもらう
普段から同僚や先輩に相談しておくことで、不意に話を頂けることもあります。
紹介による転職は、元から信頼関係が構築されている場合も多いのでスムーズに業務な仕事がし易いのがメリットです。
最大のデメリットは、自分が転職したいタイミングでお話がやってくるとは限らないことです。
もし、ありがたいお話をいただくことがあれば、検討してみましょう!
求人サイトを活用する
知り合いのつてがないときは、求人サイトを活用しましょう!
理学療法士専用の求人サイトがあり、一般の求人サイトとの違いは、より専門性に特化した求人が見つかります。
また、エージェント型なら、転職サポートを受けられることも大きな特徴です。
対策②副業で昇給
理学療法士年収の上げ方、2つ目は副業です。
本業の給料が増えないなら、収入の柱をもう1本持てば良いということです。
副業には2パターン
・理学療法士としての副業
・異業種の副業
それぞれ解説します。
理学療法士としての副業
本業とは別の職場で働く方法で、例をあげるとこんな感じです。
・クリニックに勤めながら、休みの日に週一で訪問リハビリ
・回復期病棟に勤めながら、月3回デイサービス
など方法があります。
メリットとして、行う業務自体は本業のリハビリなので特に困る事はありません。
デメリットは働く日数が実質週6になったりするので、かなり負担は大きいです。
ご家庭を持たれている方には少し大変かもしれません。
異業種の副業
別のスキルを身に付けたい、違う分野で働きたい、などの理由がある場合は、リハビリとは全く違う仕事にチャレンジしてもいいと思います。
・ブログ
・ウェブライター
・せどり
・ハンドメイド
・プログラミング
・動画編集
・デザイン制作
・SNS代行
などが、比較的取り組みやすい副業となります。 下に戻る
リハビリ業界の今後に対して、不安な声も聞かれるかと思います。
今後、理学療法士の給料が下がったり、需要自体が減ってしまったとき、違う仕事で収入があればかなり安心でしょう。
加えて、上記の例で挙げた副業を更に本業で生かすことも可能です。
・ブログスキルを生かして病院のHP制作に関わる
・ハンドメイドスキルを生かして患者様と一緒に作品を作る
現在の職場で副業が認められているかどうかは必ず確認しましょう。
対策③開業(起業)で昇給
ですが、開業は少しハードルが高いように感じますね。
理学療法士で開業される方はごくわずかです。
なぜなら、理学療法士には開業権がなく、医師の指示の元でしかリハビリテーションを提供できないからです。
理学療法士で起業されている方は、【理学療法士としての起業】ではなく、【理学療法士としての知見を生かした起業】ということになります。
具体的な起業方法は
デイサービス経営
訪問看護ステーション経営
サロン経営(自由診療)
セミナー主催者
などが挙げられます。
もちろんどれも簡単ではなく、理学療法士として
・突出した実績
・経営の知識
・多額の資金
などが必要になってきます。
失敗のリスクも高く、万人におすすできる方法ではありません。
しかし、もし起業が成功すれば、年収は1千万円どころではないでしょう。
失敗しても大丈夫なほどの蓄えがあるなら、チャレンジする価値はあると思います。
他には上記の副業を生かした、マイクロ法人での起業なんて手段もありますね。
まとめ
理学療法士はあまり昇給しません。
給料を上げたいなら、自分で転職や副業をする必要があります。
更に上を目指したいなら、開業(起業)という手段もありますが、リスクも大きいので万人には合いません。
やっぱりオススメは
Step1
【年収も上がって、自分の時間も取りやすい職場に転職する】
↓
Step2
【隙間時間に副業をし、あわよくばマイクロ法人を設立する】
個人的にはこの流れが一番かなぁと思います。
ぜひ、参考にしてください。
昇給しないことによる、生活への不安がある方はこちらの記事をご覧ください。